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Googleサーチコンソール「検索アナリティクス」の使い方と分析事例

Google検索及びYahoo!検索のSSL化(通信を暗号化する処理)により、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールで検索エンジン経由の流入キーワードを取得することが困難になってきています。

Yahoo!検索のSSL化は2015年8月にアナウンスがあったものの、まだ部分的な適用に留まっており、流入キーワードを一部取得が可能な状況です(2016年2月2日時点)。しかし、今後徐々に流入キーワードの取得が困難になってくるでしょう。

そこで、今回はGoogleが提供しているGoogleサーチコンソール(旧Googleウェブマスターツール)の「検索アナリティクス」機能を使って、私が普段行っている「流入キーワードを把握するやり方」「サイト、ページの分析方法」についてご紹介します。

検索アナリティクスとは

Googleサーチコンソールにログインすると、左のサイドメニューに「検索トラフィック」>「検索アナリティクス」が表示されています。

Googleサーチコンソールの左メニュー「検索アナリティクス」

検索アナリティクスのレポートを見ると、サイトがどれくらいの頻度でGoogleの検索結果に表示されたかがわかります。アクセス解析ツールでは実際にユーザーがサイトに訪れないとデータとして記録されませんが、検索アナリティクスはユーザーがサイトに訪れていなくてもGoogleの検索結果に表示されたデータが記録されるため、幅広い分析が可能となります。

現在、取得できるクエリ数はデフォルトで999個となっており、大規模なサイトではデータが不十分かもしれませんが、数千ページからなるサイトでは十分にサイト分析が可能です。

検索アナリティクスで分析できること

検索アナリティクスレポートを利用し、3つの観点から分析することができます。

1.サイトがどのような検索クエリで検索結果に表示されているか、検索トラフィックはどのページから来ているか、時間の経過とともに検索トラフィックがどのように変化したかなどを把握する。

2.デバイスごとに検索クエリの特性を把握する。

3.Googleの検索結果でクリック率が最も高い(または低い)ページを特定する。

それぞれのポイントに対して、事例を挙げながら、使い方、考え方を説明していきます。※「弊社が運営する『鍵業者紹介サイト』(以下、カギマイスター)」を事例として用います。

検索アナリティクスの使い方

サイトがどのような検索クエリで検索結果に表示されているか

左メニューの「検索トラフィック」>「検索アナリティクス」をクリックします。検索アナリティクスで取得可能な「クリック数」「表示回数」「CTR」「掲載順位」のチェックボックスにチェックを入れます。オプションタイプは「クエリ」を選択します。

検索アナリティクスの表示項目設定

すると下図の通り、過去28日間のクエリ(検索ワード)と各項目のデータが表示されます。

過去28日間のクエリ(検索ワード)と各項目のデータ

デフォルト表示では、クリック数の降順でソートされていますが、その他の項目でもソートすることができます。

検索トラフィックはどのページから来ているか

検索アナリティクスで取得可能な「クリック数」「表示回数」「CTR」「掲載順位」のチェックボックスにチェックを入れます。オプションタイプは「ページ」を選択します。

検索アナリティクスの表示項目設定

すると下図の通り、過去28日間のページと各項目のデータが表示されます。

過去28日間のページと各項目のデータ

この表示状態で、下記操作を行うと特定のページにどのような検索ワードが紐づいているのかを見ることができます。

表示データ部の調べたいページの行をクリックする(ページをフィルタした状態になる)。

次に、オプションタイプを「クエリ」にチェックします。

下図のとおり、指定したページ(/lab/lostkeymansion/)に紐づくクエリを抽出することができます。

指定したページ(/lab/lostkeymansion/)に紐づくクエリ

時間の経過とともに検索トラフィックがどのように変化したか

検索アナリティクスで取得可能な「クリック数」「表示回数」「CTR」「掲載順位」のチェックボックスにチェックを入れます。オプションタイプは「クリック」を選択した状態で、「日付」の「期間を比較」>「過去28日間と前の期間を比較」をチェックします。

検索アナリティクスの表示項目設定

すると下図の通り、「過去28日間と前の期間を比較」したデータが表示されます。

「過去28日間と前の期間を比較」したデータ

デバイスごとに検索クエリの特性を把握する

検索アナリティクスで取得可能な「クリック数」「表示回数」「CTR」「掲載順位」のチェックボックスにチェックを入れます。オプションタイプは「クリック」を選択した状態で「デバイス」の「デバイスをフィルタ」>「デバイスを比較」をチェックし「PC」と「モバイル」を比較します。

検索アナリティクスの表示項目設定

すると下図の通り、過去28日間の「PC間とモバイルを比較」したデータが表示されます。

過去28日間の「PC間とモバイルを比較」したデータ

Googleの検索結果でクリック率が最も高い(または低い)ページを特定

表示されている「CTR」の項目(上図赤枠)をクリックし、昇順または降順にソートを掛けることで、クリック率が高いクエリとクリック率が低いクエリを見ることができます。

ただし、掲載順位が低いクエリデータを見ても参考にならないため、よりわかりやすく分析するためには、当該データをCSVファイルでダウンロードし、Excelで開き「掲載順位」を1位~5位(または1位~10位)でフィルタした上で、CTRをソートしたほうがよいでしょう。

また、このデータはページを追加してGoogleに評価されてきた後の「改善フェーズ」で利用すると効果を発揮します。特定のワードで検索結果1ページ目に入ってきたときに「CTR(クリック率)」のデータと実際の検索結果に表示されている他サイトのページタイトルを比較しながら、タイトルタグやディスクリプションの内容をチューニングします。

サイト、ページの分析方法

私はサイトがGoogleにどのように評価されているかを客観的に想定することを重要視しています。

アフィリエイトサイトの場合、多くは情報サイトにカテゴライズされるかと思いますが、Googleに情報サイトとしてしっかりと認識されているか、どのような特性を持ったコンテンツページが評価されているのかを仮説を立てながら分析していきます。運営者が期待している通り、公開したページがGoogleに評価されているか、それとも評価されていないかを把握することによって、今後のサイト戦略に大きく関わってきます。

そのために、私は「定点分析」と「時系列分析」の観点でクエリデータを分析します。「定点分析」は、検索アナリティクスにおける最新データを元にサイトを分析します。一方「時系列分析」は二つの期間を比較し、検索アナリティクスデータの前後の値の変化をベースに分析します。

それぞれの分析におけるポイントを説明します。

定点分析

定点分析では、どのようなキーワードでGoogleの検索結果に表示されているか、クリックされているかを見ていきます。すでにコンテンツページが公開されているサイトであれば、ある程度データが取得できます。

ここでは「ターゲットワード」(上位表示することでサイト収益につながるワード)を主眼に分析をしていきます。ターゲットワードには、コンテンツを追加した時点で想定しているワード群の他に、当初コンテンツ企画段階では想定していなかったが、検索アナリティクスデータを分析したときに、新たに発見したワードも含みます。

検索アナリティクスのデフォルト表示状態である「クリック数」の降順や「表示回数」の降順でソートを掛けます。この操作により、サイト内のページ群に対して、現状において、Googleがどのように評価しているかがわかります。そのデータを元に仮説立てしていきます。

ここで「カギマイスター」のデータを例にご紹介します。

クリック数の降順データ

クリック数の降順でソートを掛けることで、Googleの検索結果画面から流入しているクエリワードの上位を見ることができます。この例では「合鍵 時間」「合鍵 値段」「マンション 鍵 紛失」といったワード群が上位に存在していることがわかります。

次に、「表示回数」の降順でソートを掛けます。

表示回数の降順データ

表示回数の降順でソートを掛けることで、Google検索ユーザーが検索する回数が多いクエリワードが表示されます。掲載順位が10位以内で安定していれば、およそ直近1ヶ月でのGoogleでの検索ボリュームを推し量ることができます。
※実際に検索回数が多いクエリだとしても、当該サイトでの掲載順位が低い場合は、表示回数が少なく表示されます。

この例では「合鍵 値段」「合鍵 時間」「車 鍵 紛失」といったワード群が上位に表示されています。

ここで「車 鍵 紛失」というワードは、クリック数の降順ソートのデータより、表示回数の降順ソートデータのほうが上位に位置しています。つまり、表示回数(検索ボリューム)は多いのに、CTR(クリック率)が低いということが読み取れます。ここで「掲載順位」をみると6.3となっており、上位にランクインしている他ページへユーザーがランディングしているのではないかという仮説を立てることができます。クリック数を増やすためにはGoogle検索結果上でのさらなる上位表示化、他上位ページとのタイトル、内容における差別化を図っていく必要があるのではないかという考えに至ります。

尚、この分析をしている中で、表示回数、クリック数の値が多いクエリが見つかったとしても、SEOを狙っていないキーワードであれば「オフターゲット」に分類し、施策の優先度を下げます。

時系列分析

サイトは時間の経過と共に成長していくことが望ましいです。コンテンツを追加していくことで当該ジャンルの専門性が高くなったり、外部からの評価が徐々に高まったりすることで、サイトの信頼性が向上し、SEOでの安定にもつながっていきます。

私の経験則ではありますが、やはり更新が滞っているサイトは、検索アナリティクスのクエリの数自体が徐々に減少していったり、特定ワードのSEO順位がジリジリ下がっていったりするという印象を抱いています。

では「検索アナリティクス」機能を使って、時系列での分析のやり方をご紹介しましょう。

分析の手順は、ある二つの期間を比較し「新たなクエリが追加」「クエリが消失」「特定クエリの表示回数、クリック数の増減」の観点を見ていきます。

ここでも、「カギマイスター」のデータを例に説明します。

上図のように、日付の比較を「過去28日間と前の期間を比較」に設定します。すると、クエリデータの項目に比較対象期間の前後のデータが表示されます。

●「新たなクエリが追加」の見方

比較対象期間の前後における前(この場合7月4~7月31の表示回数)の項目を昇順でソートを掛けます。すると当該期間では「~(データ対象外)」と表示され、対象期間の後の期間では、データ対象が存在するクエリワードを抽出することができます。

ここで抽出されたクエリワードは、対象期間前後で新たに追加したコンテンツページが新たなクエリで評価された、もしくは、すでに公開していたページに対して新たなクエリが評価されたことを意味します。

●「クエリが消失」の見方

比較対象期間の前後における後(この場合8月1~8月28の表示回数)の項目を昇順でソートを掛けます。すると当該期間では「~(データ対象外)」と表示され、対象期間の前の期間では、データ対象が存在するクエリワードを抽出することができます。

ここで抽出されたクエリワードは、以前はGoogleの検索結果に表示されていたクエリであるが、対象期間の後の期間では、検索結果に表示されなかったクエリということになります。表示回数が少ないクエリではよく起こることですが、表示回数が多かったにも関わらず、消失してしまったクエリに対しては、原因の追求を行うのが望ましいと考えます。そのクエリがターゲットワードであれば、コンテンツの拡充や別の視点でのコンテンツ企画などを考えていくようにします。

ただし、Googleからネガティブに評価されているクエリに対して施策をしていくより、ポジティブに評価されているクエリに対して施策をしていくほうが、効果が出やすい傾向がありますので、優先順位の決め方には注意が必要です。

●「特定クエリの表示回数、クリック数の増減」の見方

特定クエリにおける表示回数、クリック数の増減を見ながら、Googleにどのように評価されているのかを仮説を立てながら分析していきます。

一般的に「表示回数」が増加する要因として考えられることは「掲載順位が上昇」「検索回数が増加」です。検索回数は季節要因や一時的な話題性で増えることがあります。クエリの属性や掲載順位を勘案しながら、表示回数の増加要因に対して仮説を立てながら分析していきます。

一方「表示回数」が減少する要因は「検索順位の下落」「検索回数の減少」です。こちらもクエリの属性や掲載順位を併せて見ていくことで、仮説を立てることができるでしょう。

ここで、事例を元に説明します。

「カギマイスター」の「過去28日間と前の期間を比較」データ

1行目のクエリ「合鍵 時間」
比較前後の期間において「表示回数」はほとんど変化していません。しかし「クリック数」が394→774と増加しています。「掲載順位」の値を見ると、2.9→1.2と上昇していることがわかります。このことから「合鍵 時間」のクエリのSEO順位が上昇したことにより、表示回数は変わらないが、クリック数が増えたということが読み取れます。

2行目のクエリ「合鍵 値段」
比較前後の期間において「表示回数」が1,554→3,512と増加しています。それに伴い「クリック数」が43→270と増加しています。「掲載順位」を見ると、8.3→3.8と上昇しています。「合鍵 値段」というクエリは季節要因や一時的な話題性があるとは想定できないため、掲載順位の平均値8.3には、2ページ目(11位以降)のときも含まれており、SEO順位の上昇と共に「表示回数」も増加したのではないかという仮説が立てられます。

3行目のクエリ「マンション 鍵 紛失」
1行目の「合鍵 時間」と同様の解釈です。

このように、各項目を期間で比較することで時系列の分析を行うことができます。「合鍵」周辺ワードではここ1ヶ月で、大幅にGoogleに評価されているという仮説を元に、その期間でどのような変化があったのか、サイト内要因(コンテンツ追加・変更、外部からの評価増)、サイト外要因(Googleのアルゴリズムの変化、競合サイトのSEO順位変動等)の観点から分析します。

コンテンツ企画、コンテンツ改善に活かす

以上の通り、Googleサーチコンソールの「検索アナリティクス」機能を使いこなすことで、アクセス解析ツールで流入キーワードが取得できなくなっても、クエリに基づいたサイト分析を行えることがおわかりいただけたのではないかと思います。

ここでは、検索アナリティクスの分析データを活用し、新たなコンテンツ企画、コンテンツ改善にどのように活かしていくかをご紹介します。

ミドルワードを起点にサイト拡張を目指す

私は検索アナリティクスで取得できるクエリの中で、特にミドルワードに着目しています。ミドルワードとは「一定の検索ボリュームがあり、当該市場におけるユーザーニーズが想定できるが抽象的であるワード。そのため、ミドルワードを含む3語以上の複合語検索によって、よりニーズが細分化される」と定義します。先ほどの例では「合鍵 時間」「合鍵 値段」などがミドルワードに該当します。

このミドルワードをベースにして、ユーザーニーズの詳細分析を改めて行います。ツールは主に「Googleキーワードプランナー」「Googleサジェストツール」を利用しています。また「リアル市場との適合」も重要な視点です。実際の市場におけるユーザーの関心事や話題性はキーワードという形で顕在的に表われずに、ユーザーニーズが潜在化していることがあります。今後のメディア運営ではますますこのリアル市場の視点を持つことの重要性が問われてくると考えています。

これらのツールや視点を併せ持ちながら、垂直展開、水平展開をできないか仮説を立てていきます。

「合鍵 時間」「合鍵 値段」というクエリに対して、親和性がある状態を構築できているのであれば、「合鍵」以外の鍵に関する「時間」や「値段」といった水平展開ができないか、「合鍵」に対して「時間」「値段」以外にユーザーが知りたいことはないか、といった視点で、垂直展開を考えていきます。

また「マンション 鍵 紛失」「アパート 鍵 紛失」といったクエリが評価されている状態では「マンション」「アパート」以外の「鍵」を紛失した時の対処法をコンテンツとして展開することはできないか、といった視点で水平展開を考えていきます。

このように、検索アナリティクスのクエリデータを参考に、新たなコンテンツ企画を考えたり、すでに公開しているコンテンツに不足事項がないか改善案を考えたりしていきます。

コンバージョンへの動線はランディングページをベースに考えていく

検索アナリティクスのデータはCVデータとの紐づけができないという弱点があります。本機能の役割を考えると、今後もCVデータと関連づけるということは難しいのではないかと考えます。

流入キーワードがアクセス解析ツールで取得できなくなる現状において、どのように分析していけばよいかという問いに対して「ランディングページをベースに分析していく視点を身につけていくのがよい」と考えています。

Googleアナリティクスでは、目標設定をすることで、検索エンジンからのランディングページとCVデータを紐づけることが可能です。

CVに寄与するランディングページを特定することができれば、Googleサーチコンソールの「検索アナリティクス」でページをフィルタした状態でクエリを抽出すれば、ユーザーがどのようなクエリで検索しているのか、なぜそのページからCVに至ったのか、どのようにユーザーのモチベーションが変化したのかを想定することができるでしょう。

まとめ

以上のように、私が日常サイトを運営していく中で、Googleサーチコンソールの「検索アナリティクス」を活用している事例をいくつかご紹介させていただきました。

前職でインハウスSEO担当者として業務に従事していたとき、新規ドメインで人工的な外部リンクを行わず、コンテンツを追加していくことで、自然検索からのアクセス流入、売上を作り上げていくことにチャレンジしました。

立ち上げ当初は、ユーザーのアクセス数が少なくGoogleアナリティクスを見ても十分なデータが蓄積されてなく、施策を行った際に、何か変化する指標がほしいという想いから、旧Googleウェブマスターツールの「検索クエリ」のデータを逐一見ては分析対象としていました。

コンテンツの追加、修正を行うと面白いように、検索クエリデータが変化していく状況を目の当たりにして、「必ずSEOの役に立つはずだ」と毎日データと向き合っていました。成果が出るまでは、仮説と検証の繰り返しではありましたが、その一つひとつの視点が今の私の血肉になっていることは間違いありません。

Googleサーチコンソールの「検索アナリティクス」データを適宜分析していくことで、サイト運営に不利になることはないのではないかと自信を持って言えます。

今回のレポートが少しでも、皆さまのお役に立つことができれば幸いです。

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