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大規模アフィリサイトの数値目標について

私の会社では、約2~3年前から、数百ページ以上で構成される(アフィリエイトサイトとしては)比較的大型なメディアを構築する試みを行っています。それより前は、50ページ前後の中規模サイトを複数作るスタイルでした。

もちろんアフィリエイトにおいてベースとなる考え方は、大規模であっても、中規模であっても、何も変わっていないのですが、ページ数が数百ページを超えるようなサイトになると、サイト構造や、コンテンツ制作の運営体制など気にしないといけない領域が増えるというのと、1つ1つの作業に、より高い精度が求められるという実感があります。

これから書く内容は、2、3年間そのようなメディアを運営してきて個人的に感じたこと、また日々心がけていることをまとめたものです。結構なボリュームになるので何回かに分けてお届けしようと思います。

また、あくまでうちの会社の話なので、1つの事例として捉えてもらえたらと思います。(基本的に社員がある程度いる法人を想定して書いています。)

大規模サイトは総力戦だ。

私の会社では、1つのメディアに対して最低でも3、4人のスタッフが関わります。もちろん横断的に関わっているスタッフもいるので、専任でそれだけやっているわけではありませんが、少なくとも複数人が数ヶ月以上の労力を使って1つのサイトを構築する、つまり総力戦ですよね。

だから、私の中では、「なんかうまくいきませんでしたね」というのはちょっとあり得ません。少なくともスタート時は、「このメディアを絶対成功させるんだ」という気概で始めなければ、そもそも大規模サイトなんてやるべきではないっていうのが個人的な見解です。大規模なサイトは、中規模サイトに比べてかかる労力が半端無いので、失敗した時、組織として受けるダメージも大きいという認識は最初に持っておきます。

また、複数人でメディアを作っていく場合、目標設定とその共有が何より大事だと考えています。個人でやっているときは、人件費=自分なので無いようなものだし、目標も自分の中でぼんやりと持っていれば問題無いですが、複数人でやるとなるとそうはいきません。

このメディアはどこに向かっていて、どういう目標を持っているのか?というのが少なくともプロジェクトメンバー内では明確に共有されていないと日々のタスクの優先順位を決めることもできないし、目標に対してどれだけ距離があるのかもわからないので、メンバーのモチベーションに大きく影響します。

目標設定

目標には、「PV、収益、成果件数」など明確に数値として設定できるものと、「このメディアで○○という悩みを解決してあげたい」というような数値で追うことが難しいものがあると思いますが、現在、会社で重視しているのは数値で追える目標です

なぜなら、「良いメディアを作ろう」みたいなものは、個人の主観的要素が強いので、うまくいっているか、いってないかの判断がつきづらいからです。かといって大事でないわけではなく、サイトコンセプトなどサイトの根幹をなすものは、数字以上に大切だと考えています。ただ、定期で振り返る指標としては不向きかなぁと。

今回の記事では、具体的に計測できる3つの数値目標について弊社の事例を通してお伝えしていこうと思います。

収益

数値目標として最重要項目になるのが当然サイトの利益です。うちの会社では、アルバイトを含めた全社員に、メディアの収益と使った経費の金額を共有しています。

そして、月に1回、各メディアの担当責任者が一堂に会し、前月の収益を発表する「収益報告会議」という場を作っています。前月どういうことをやって、その成果はどうだったのか、そして今月はこういうことをやりますなど、振り返りと、方向性を決める会議です。

私の中では、「収益なんか気にしない」というセリフは、収益を出している人が言うセリフであって、企業としてやっている以上、利益が出ていないのは、趣味の部類だと思っています。収益「だけ」を求めたら危険なのであって、収益を出した中で、どこまで、ユーザー、広告主にとってメリットを提供できるのかという部分が、(私が考える)アフィリエイターの資質です。

また、これはスタッフには特に共有していないですが、経営者として個人的に定めている、1つのメディアで目指す最低の収益目標は、月額300万になります。これは、そのメディアに関わる人の人件費やその他外注費などを踏まえた月額の経費をだいたい100万と設定し、最低その3倍は利益が上がっていないとメディアとして継続的に運用していくのが将来的に苦しくなっていくだろうということから、算出した数字です。

もちろん、300万円を下限のラインとして、達成したら、500万、1000万と目標を高くしていきます。

PV(ページビュー)

次に、サイトの数値目標として、PV(ページビュー)を重視しています。

アフィリエイトサイトにおいては、アクセス数の多さではなくて、どれだけ質の高い(購買意欲が高い)アクセスを呼ぶことができているのかという部分が大事だということはもちろん理解しながらも、ページビューは重要な指標の1つとして観察しています。

理由として、当たり前ですが、Googleアドセンスなどのアドネットワーク系の広告収益は基本的にアクセス数に比例して伸びていくこと、また、広告主以外で、サイトに寄稿してくれる外部の方も、PVが多い方が喜びますし、場合によっては、相手の認知度アップに貢献できるので、無償で記事提供などをしてくれる可能性があるからです。

また、それと同時に、私は、ページビューの増減をサイトの健康状態を計測するための1つの指標としています。検索エンジンからサイトがどのように評価されているかを分析する際は、サーチコンソールの検索アナリティクス等を個別に確認していく必要があると思いますが、アクセスが増えてくるとさすがに1つ1つを細かく追うのがしんどくなってきます。ページビューは、大きなトレンドで考えた時、自分のサイトは、上げ調子なのか、下げ調子なのか、横ばいなのか大局を見るのに適していると思っています。 

例えば下記は、弊社が運営する保険ソクラテスのアクセス解析の推移(2014年2月~2016年2月)なのですが、

たまにバズ(拡散)や、季節要因などの増減はありながらも全体的には、2~3ヶ月の期間で観察するとゆるやかにページビューが上昇しているかと思います。このような上げトレンドの場合、基本記事のブラッシュアップや、サイトのカテゴリ拡張など水平展開などをしていっても問題ないと判断します。

これに対して、もう1つ弊社が運営するみんなの評判ランキングというサイトのアクセス解析の推移(2013年10月~2016年2月)が下記になります。

こちらのサイトは、アクセスの伸びが、2015年の1~2月あたりから横ばい、やや微増レベルになっているなっているのが観察できるかと思います。3ヶ月~6ヶ月など長い期間で観察してもアクセスが横ばい、及び微減になっているような状態の時は、ただいたずらにページを追加するのではなく、下記のような現象になっていないか一度手をとめて確認します。

・自分より品質の高いサイトがライバルサイトとして出現していて、コンテンツのオリジナリティが(相対的に)減少し、個別ページの順位がリプレイスされている

・情報が古くなっている、またはコンテンツが大量にコピーされているなどの理由で、Googleからの評価が一部、もしくは全体的に落ちている

・サイトの構造がおかしく、投下したコンテンツがgoogleに正当な評価を受けていない

特にある程度ドメインが評価されているサイトで、ページを追加していってもアクセスが伸びてないサイトは、要注意だと私は考えます。今までやっていた施策を一度止めて、サイトコンセプトの抜本的な見直しや、コンテンツのブラッシュアップ、カテゴリの再構成などを行っています。

ちなみに、上記の例で出したみんなの評判ランキングでは、カテゴリページの作りこみや、低品質ページ(口コミが少なく存在意義が怪しいページ)の削除、無秩序に行っていた新規カテゴリ構築の際のテーマ選定を厳格化するなどの対処で、2016年から再び上げ調子にはなってきているので、現在、再度注意深く様子を観察しています。

直帰率・滞在時間

これはあくまで私の個人的な考えとして捉えて欲しいのですが、私はアクセス解析の中で、「直帰率」「滞在時間」の指標を結構重要視しています。

理由は、直帰率・滞在時間を改善したら検索で上位表示される!というような話ではなくて、サイト内をユーザーがうまく回遊し、最終的に、ゴール(つまりアフィリエイトサイトで言えば成約ですよね)に導けているサイトは、直帰率・滞在時間が共に良い数値を叩き出している傾向があるというのを、自社、及びクライアントの解析結果から感じているからというのが大きいです。

具体的に、私が目安としているのは、直帰率が70%以下で、滞在時間が2分30分以上になります。(←アクセス解析によって直帰率の定義が異なるので、アナリティクスのデータです)

もちろん

・サイト訪問者のほとんどがリピーターで新規記事だけ閲覧して直帰するフロー型のコンテンツ

・成約まで非常に近いユーザーを主体に集客し、そのページでほとんどのユーザーを広告主に送客しているサイト

・ロングテール集客を主体にし、購入にほぼ興味が無いユーザーがサイトのアクセスの殆どを占めるサイト

に関しては、上記の数値よりも、直帰率は高くなる傾向になるかと思いますが、リピーターだけではなくて新規ユーザーも訪問し、ある程度ストック性のあるコンテンツで構成されているサイトの直帰率の目安はやはりこのくらいの数字で設定しています。(実際にはアナリティクスにディレクトリ単位で切り分けて各ディレクトリで観察しています)

直帰率の改善

直帰率の改善を考える時に、一番やってはいけないのは、直帰率を改善すること自体を目的化することだと考えています。直帰率自体を下げることだけ考えたら、各ページをハブ化して、次のページに流すだけの施策をすれば良いということになりますが、これは当然意味が全く無いし、下手をしたらこれが原因で順位が落ちる可能性もあると思います。あくまで目的はサイト内の見てもらいたいコンテンツをユーザーが自然と閲覧している状況、これが理想です。具体例で考えてみましょう。

例えば、「電子レンジ 選び方」という検索ワードがあって、自分のサイトが上位表示されているとします。「電子レンジを選ぶ際の3つの重要ポイント」という渾身の記事です。この時、このページ内に、「上記の電子レンジの選び方を踏まえて、私がおすすめする電子レンジのランキングはこちらですよ」というような記事への導線(リンク)をひいてあげることは非常に重要だと私は考えます。

なぜなら、電子レンジの選び方を検索する人は、別に選び方を知ることが最終目的ではなくて実際に購入を検討していて、あなたのおすすめする電子レンジを教えてよというのが根底にある可能性が高いと想定できるからです。つまり選び方だけでコンテンツが終わっていたら消化不良でユーザーは帰ることになる可能性があります。簡易的ですが、図に表すと下記のような感じです。

このようなサイト設計にすると、自然にサイト内の直帰率・滞在時間も向上するというのが私の体感です。なので、直帰率の数字を改善しようと思ってやるのではなく、「ユーザーへのサジェストはきちんとできているのかという視点で改善していたら自然と数値が良くなっていた」という状態がベストだと思います。

ちなみに、ページ文末に置くピックアップ広告のようなものは、

・無料査定や、登録しただけで何かがもらえるなどユーザーベネフィットの強い広告主を掲載している

・成約までかなり近いユーザーを集客できている

時に有効に機能すると私は考えていて、成約にある程度、納得感・合理性が必要な商材の場合、別ページで作りこんだLPを作った方が成約率は高くなる傾向にあると思います。(もちろんケースバイケース)

改善例

下記は、保険ソクラテスの学資保険カテゴリの改善例ですが、下の画像は、2014年8月度の当該ディレクトリのアクセス状況です。直帰率86.23%、滞在時間が1:04秒と、正直胸を張れる数字ではありません。

ここ1年半で、「関連記事の表示」「ページ内での内部リンク」「レスポンシブ対応」「新規記事の追加」などの改善を継続的に行ってきた結果

直帰率が、86.23%→70.12%
滞在時間が、1:04秒→2:47秒

に変化しました。


もちろん、流入キーワードの変化などありますから、同列では比較できないですが、インターネットアーカイブを見てもらえるとわかりますが、記事自体の内容はほぼ変更していません。既存の記事自体を大きく変更しないで、内部リンクの改善、関連エントリの表示、カテゴリの再構成、ユーザーに見てもらいたい新規記事の追加などによって、数値改善も可能だという事例として紹介しました。

まとめ

数値として定点観測している3つのものを紹介しました。もちろん、この他にもGRCやサーチコンソールなどあると思いますが、私はどちらかというとそういう細かい数値より全体の大局を判断して、方向転換が必要だったらメディア責任者と協議するというポジションにいるので、サーチコンソールなどの検索周りはまた別の方に記事にしてもらおうと思います。

また、今回の事例は、あくまで1事例なので、当然各メディアによって指標は異なるだろうし、自社の指標を定めていくことが何より重要かと思います。次回は、チームの運営体制について書こうと思います。

※更新情報は、アルケーのFBページでも流しています。

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